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オールドボトルに関する留意点

オールドボトルはボトリングされてから20~40年位経過している為、ラベル変色、コルクの劣化が発生しています。
またボトル自体が経年変化の為、もろくなっていることがありますので慎重な扱いが必要です。
ボトルによっては沈殿物・浮遊物(オリ)が発生していることもありますが、これはウィスキー自体に含まれていた成分が経年変化により結晶化したもので、有害なものではなくナチュラルな証しであり、飲んでも健康上の問題はありません。
ボトリングから10年以上経過したボトルではコルクは確実に劣化しており、開栓の際には注意が必要です。
蒸留酒ではコルクの劣化を防ぐ為立てて保管されているので、ガラスとコルクの張りつきが起こっています。
抜栓前にはボトルを寝かせて充分にコルクを湿らせてください。
コルクが折れてしまった場合にはコルクオープナーで慎重に取り出してください。
取り出せない場合には最悪コルクをボトルの中に落とすことになります。
グラスに注いだ際にコルク片が気になるようであればスプーン等で取り出し、細かなコルクくずを取り除くには茶こし等の利用も有効です。
尚、コルクを落とした場合には長時間放置するとコルク臭くなる場合もありますのでお早めにお飲みになることをお勧めします。
液面低下については多くのファンに敬遠される傾向にありますが、保管状態が悪くないのに液面低下したボトルについては今までの経験から味わい、香りの劣化はないものと思っています。
ネット上では液面低下=劣化、品質の低下とされている記述も多く見受けられ、私自身、酒屋さんの店頭から液面低下したボトルを買ってきてテイスティイグしている動画を拝見しましたがその中で出演者ご自身がご指摘されているように紫外線の影響で劣化したものと思われます。
しかし紫外線の影響で液面低下が発生するわけではなく、オフィシャル、ボトラーズに関係なくボトリングから15年以上経過したボトルでは、適切な状態で冷暗所に保管されていても殆んどのボトルで液面低下が始まっています。
液面低下が肩まで進んだボトルもあれば首下部に留まっているボトルも数多くあります。
また殆んど液面低下が見られないボトルもあります。
一例をあげますが、マッカランは液面低下が殆んど感じられず、ボウモアはかなり液面低下する傾向にあります。
これは液面低下がボトル、キャップの特性だけでなく酒質も影響しているのではないかと経験的に思っています。
但し、1~3ショット分失われているのは事実ですが、私はこれもエンジェルズシェアだと思っています。
しかし保管状態が良ければワインのように味わいに影響することはなく、オールドボトルならではのビン熟した深みのあるフレーバーを楽しむことができると思います。
液面低下が進んでいるボトルについては写真で確認、或いは現物を確認し納得してからお買い求め頂けますようお願いいたします。
尚オールドボトルは現品限りの為に上記のようなオールドボトル特有の変化や味わいが現行品のイメージと違うといったことをご理解の上ご購入ください。
オールド・ビンテージの素晴らしい世界が広がり、モルトウィスキーが飲む芸術品だということをご理解いただけるものと思います。