オールド ビンテージ ウイスキー 専門店 - VINTAGE HOUSE
ウィスキーと共に歩んだ人生でシングルモルトウィスキーの素晴らしさに出会い私のウィスキー観は一変しました。
様々な経験、人脈をもってこの素晴らしさを皆様にもお伝えできたらと思いこの度オールドウィスキー、ビンテージウィスキーを専門に販売・買取するショップ『VINTAGE HOUSE』を始めました。
現行品では味わうことの出来ない入手困難なオールドシングルモルトウィスキー、オークション等にもなかなか出品されないレアモルトウィスキーをお客様のご希望に沿ってお探しいたします。
VINTAGE HOUSE by MALT HOUSE ISLAYオーナー 鈴木勝雄
ビンテージウィスキーの魅力
19世紀後半から国際市場に登場したスコッチウイスキーはそれまでのモルトウィスキーから同時期に実用化されたグレーンウィスキーの生産効率向上、それをモルトウィスキーとブレンドしたブレンドウイスキーのブランド化により品質の向上、均一化が図られ、大量に世界市場に供給されるウィスキーとして発展してきました。
ところが20世紀の終わり頃から、より個性豊かなシングルモルトウィスキーに注目が集まり、それまでブレンドウィスキーの原酒とされていたモルトウィスキー本来の魅力が評価されるようになりました。
それは造られる土地の気候、風土、つくり手の違いによる個性です。特に19世紀的な製法が続けれていた1960年代まではその特色が顕著でそれは蒸留所ですべての工程が行われていた事と生産規模が小さく、ハンドメイドな部分が多かった事に由来します。
1960年代終わりから70年代に現存する蒸留所のほとんどは増改装、建て替えなどが行われ、生産規模がそれまでの2~3倍に増強されました。これに伴いそれまで蒸留所内で行われていた製麦作業(フロアモルティング)は廃止され、製麦業者(モルトスター)に外注するようになりました。
モルトスターではフロアモルティングではなく機械式で大量にモルトを作り、各蒸留所に供給するようになったのです。
こうして生産量が飛躍的に伸びたモルトウィスキーですが、10年後の1980年代にはストック過剰になり、生産調整、蒸留所の閉鎖につながっていきました。
しかしこの頃からシングルモルトウィスキーに魅かれたファンが現れ、主に60年代に蒸留されたシングルモルトウィスキーの多彩な味わいにウィスキーの新たな魅力を見出したのです。
それが世界中に広がるのに更に10年、我が国でも1990年代半ば位からシングルモルトウィスキーに魅了されたファンが急増することになります。
ちょうど1989年の輸入酒の規制緩和もあって90年代は輸入量が増加、大手だけでなく、シングルモルトウィスキーだけに特化したインポーターが成り立つ環境も整って、シングルモルトウィスキーの認知度は急激にアップしました。
この頃輸入されていたシングルモルトウィスキーが60~70年代ビンテージの長期熟成や70から80年代ビンテージのスタンダード・ボトルという事になります。
やがて90年代ビンテージのウィスキーも出てくるようになりましたが2000年頃からはBRICSを始め、新興国でのウィスキー需要の高まりとシングルモルト人気の高まり、それらが相まってその需要増加は現在も進行中でスコッチウィスキー業界は史上最高需要を更新し続けています。
それは2000年以降各蒸留所の増改築が再び行われ、新しい蒸留所も数多く生まれることにつながっていきます。同時に設備も最新化され、より効率的に大量生産が行われるようになりました。
しかしこれはシングルモルトウィスキーが持つ個性が薄れていることに他ならないのです。
1960年代までは地元の大麦を使って蒸留所内のフロアモルティングによってモルト造りを行い、直火焚きでじっくりと蒸留した後、蒸留所内のウエアハウス(熟成庫)で樽に寝かせていましたが70年代以降、生産量の増大と分業化が進み蒸留所は単なる蒸留する施設に徐々に変化し、2000年以降はその傾向が更に強まっています。
これでは元々地域の個性が反映されたシングルモルトの個性が変化しないわけがありません。現在入手可能なボトルでシングルモルトウィスキーの個性を最大限に楽しもうとするならば60年~70年代ビンテージ、または2000年以前にボトリングされたボトルに頼ざるを得ないのが現状だと思われます。
反面、シングルモルトウィスキーの原点に戻ろうとする新しい蒸留所もいくつかあり、地元産の大麦の栽培やフロアモルティングも復活しています。
そうした新しい個性的なシングルモルトウィスキーが今後数多く登場してくる可能性はありますがいましばらくの時を必要としているのも事実です。